”使役”というのは「他人になにかをさせる」ことです。
ただ、ここでいう使役は
「なにかを”してもらう”」や「なにかを”させてあげる”」
など広義的な解釈が必要です。
今回の項目は少々覚えることが多いですが、可及的クリアに伝えられるよう努めます!
使役動詞とは
使役動詞は4つです。4つ覚えましょう。
「make」,「have」,「let」です。
あれ、4つ目は・・・?
やっぱり、とりあえず3つ覚えてください(笑)。
makeは「~させる」(強制)、haveは「~してもらう(依頼)」、letは「~させてあげる(許可)」の意になります。
他人が何かをするところは共通しています。
文章としては「S+V(使役動詞)+O+C(動詞・動名詞・過去分詞)」になります。
動詞・動名詞・過去分詞の使い分けは知覚動詞のところで解説しているのでそちらを参照してください。
make「~させる」(強制)
makeはいわゆる本来の使役の意味です。
強制的に他人に何かをさせる意を持ちます。
使役動詞としてのmake自体はわかりやすく、特に解説することはないです。
ただ、使役動詞ではないmake+O+C「OをC(の状態)にする」もあるのでそこだけは確認しておきましょう。

2つの例文を準備しました。SVOCを把握しましょう。
people と ( is ) happy、me とclean up の主述関係は確認できましたか?

上の文章は「人々を幸せにする」、つまりOをCの状態にする、の訳し方です。
一方、下の方は「部屋をきれいにさせた」、つまり使役動詞としてのmakeですね。
使い分ける判断基準が判りますか?
上はCが形容詞なのに対して、下はCが動詞です。
基本的にはCが形容詞・名詞なら「OをCにする」、Cが動詞なら使役動詞の認識で良いでしょう。
have「~してもらう」(依頼)
SVOCのhaveは大きく3つの使い方があります。
使役動詞としてのhaveはその3つのうちの一つなのですが、この際3つとも確認しておきましょう。
クイズ
① I had my car repaired.
② I had my bike stolen.
③ I'll have my this homework finished and go out.
全部訳せますか?
①は依頼(使役)、②は被害、③は完了の意味で使われています。
こたえ
① 私は車を修理してもらった。
② 私は自転車を盗まれ(るという被害にあっ)た。
③ 宿題を終わらせて(しまって)外へ出かけよう。
()内は必要ありませんがあなたにニュアンスを理解していただくために補足しています。
実際に使役動詞のhaveに出くわした時、どの意味でとれば良いのか?
判断基準は文章の意味(特にO+Cの意味)で考えるしかありません。
私からのヒントとしては「O+C」を主語述語として訳したとき、
positiveな内容なら①依頼、negativeなら②被害である場合が多いです。
③完了は「Oが何かしらのタスク」のときが多いかなあ。
余談
私は現役時代、「"I had my bike stolen"って、"My bike was stolen"じゃダメなんか?」
と英作文の時間に悩んだことがあります。
それぞれ和訳すると「私は自転車を盗まれた」と「私の自転車が盗まれた」です。
一見すると同じっぽくないですか?
というか、「私は自転車を盗まれた」って日本語使いますかね?
例えば、あなたが自転車を盗まれたとき、どうですか?
出てくる言葉は「自転車が盗まれた」ですよね。
ところで、出どころはさておき(「ところで」と「でどころ」ってほぼアナグラム)
「私たちは買われた」
というフレーズが一時期話題になりました。
これを目にしたとき私は真っ先にI had my bike stolenの例文が脳裏に浮かび、
ああ、この構文は”自分が被害者である”ことを一番に伝えたいものなんだなと解釈しました。
他人になにか愚痴りたくなったときは是非"I had..."の出だしでいきましょう。
let「~させてあげる」(許可)
実際に「させてあげる」と訳すことは日本語的にも少なそうですが、makeの「させる」との差別化のためこう書いています。
My father let me drive his car.「父さんが車を運転させてくれた」
のように許可の意味が入っています。
Let me try !「私にやらせて!」
シチュエーションとしては、先生が板書の問題を誰かに当てようとしているときとか。
こんな感じで命令文でも使えます。
letはそんなに解説することもないなぁ。
幻の4つ目get O to V
説明しそびれた4つ目です。
意味はSVOCのhaveとほぼ同じ。haveと同様に3つの意味で使えます。
違いとしてはCが動詞ではなくto Vの形になります。
また、使役動詞の場合はget の方が依頼のニュアンス強め。
I had my car washed.(洗車のためにお金を払ったからしてもらうのは当然)
I got her to help my homework.(後でアイスを奢るとはいえ、お願いしている)
3つという心構えで話を聞いてくれたほうが負担が軽そうなので、おまけのようにgetを説明しました。
まとめ
まとめ
・使役動詞はmake, have, let, get (to)の4つ。
・make「強制」haveとget「依頼」、let「許可」
make,haveは様々な形で使われる動詞なので、どの意味なのか判断できるようにしたいですね!