中学3年の3月、卒業式の日に担任の先生へ感謝を伝えようということで有志で曲を演奏することになりました。
ギター二人にピアノとドラムの計4人編成。
私ともう一人のギターは経験者、ピアノの人は弾けるけど楽譜は読めず、ドラムは楽器をそもそも未経験といった状態でした。
やろうと決まったはいいものの、「1週間で本番までに仕上がるのか…?」といった形でのスタートを切ります。
スコアブックを初め目にして、「これを全員で演奏するのは無理だな」と思いました。
そこで、もう一人のギターとピアノの人に向けて簡単にアレンジした楽譜を渡しました。
問題はドラムです。
簡単にしたものを渡して1回練習してもらいましたが、とても本番に間に合うようには見えません。
正直、ドラムのメンバーを変えることが頭をよぎりました。
それでも、一生懸命な彼の顔つきを見るとなんとか彼の立候補した意志を尊重したい。
色々考えた結果、A・B・Cの汎用的な3つのドラムパターンを作りABCのみで楽譜を作りなおしました。
これなら楽譜が読めなくても自分で練習することができます。
多少単調にはなりますが、何も知らない人が聞く分には十分でした。
1週間の間、放課後は毎日音楽室で練習しました。
受験も終わってどうせ暇ですしね。
私はほとんどドラムにつきっきりでした。
なぜならドラムだけは家で練習できないからです。
練習期間はギターとピアノがなぜかケンカしたり、ドラムが急にナヨナヨし始めたり色々ありました。
最低限カタチにはなったという状態で本番を迎えます。
結局、本番はほとんどミスなく終えることができました。
ドラムがミスすると演奏が止まってしまう可能性があったのですが、なんとか踏ん張ってくれました。
一回は止まるかもと思っていたので予想以上の出来です。
私たち4人の演奏とそれに合わせたクラスみんなの合唱を無事先生へ届けることができました。
ちなみに、演奏した曲は「3月9日」です。
結局ギターを使った合奏経験はその1度きりです。
バンドメンバーと場所を見つけて演奏するのもなかなか大変ですからね。
あの1度で十分と言いたいところですが、紅白の桑田佳祐を見ると「いくつになってもやっていいよなあ」と思わされます。