数学2022

鹿児島大学 数学 2022 大問3

3-1

(1)

$$a_{n+1}=\frac{a_n^2+1}{a_{n-1}}$$

と漸化式を変形し、n=2,3,4を代入することで

$$a_3=5,a_4=13,a_5=34$$

を得る。

(2)

ポイント

とりあえず代入してみる、とりあえず展開してみる。

証明問題はとにかく手を動かすことが大切です。

$$\eqalign{(a_{n+1}+ca_n+a_{n-1})a_{n-1}&=a_{n+1}a_{n-1}+ca_na_{n-1}+a_{n-1}^2\\&=(a_n^2+1)+ca_na_{n-1}+(a_na_{n-2}-1)\\&=a_n(a_n+ca_{n-1}+a_{n-2})}$$

よって示された。

(3)

ポイント

帰納法を使うことはなんとなくわかりますが、(2)の式のままでは使えませんね。

(2)の式にc=-3を代入して両辺を\(a_na_{n-1}≠0\)で割ると,

$$\frac{a_{n+1}-3a_n+a_{n-1}}{a_n}=\frac{a_n-3a_{n-1}+a_{n-2}}{a_{n-1}}$$

となる。ここで\(b_n=\frac{a_n-3a_{n-1}+a_{n-2}}{a_{n-1}}\)とおくと(2)より

$$b_n=b_{n-1}=\cdots=b_3$$

$$b_3=\frac{a_3-3a_2+a_1}{a_2}=\frac{5-6+1}{2}=0$$

よって示された。

3-2

(1)

ポイント

三角形上であり、かつ直線上であること活用しましょう。

Pは直線OG上なので実数kを用いて

$$ \vec{OP}=k\vec{OG}=k(\vec{OA}+\vec{OB}+\vec{OC})$$

さらに、\(\vec{OM}=\frac{1}{1+t}\vec{OC}\)と表せるので

$$ \vec{OP}=k(\vec{OA}+\vec{OB}+(1+t)\vec{OM})$$

と表せる。また、Pは三角形ABM上であるから上式の\(\vec{OA},\vec{OB},\vec{OM}\)の各係数の和は1となる。

$$ k+k+k(1+t)=1$$

$$k=\frac{1}{3+t}$$

よって、

$$ \vec{OP}=\frac{1}{3+t}(\vec{OA}+\vec{OB}+\vec{OC})$$

(2)

四面体OABGの体積も\(V_1\)である。

\(V_1\)と\(V_2\)の比はOGとOPの比に等しい。よって、

$$V_1:V_2=OG:OP=(3+t):1$$

(3)

ポイント

ベクトルが並行である時どういう関係性があったでしょうか?

$$ \vec{FC}=\vec{OC}-\vec{OF}=-\vec{a}-\vec{b}+\vec{c}$$

$$ \vec{QP}= \vec{OP}- \vec{OQ}$$

ここで、 \(\vec{OQ}\)はQが三角形OABの重心であることから

$$ \vec{OQ}=\frac{1}{3}\vec{a}+ \vec{b}$$

よって

$$\eqalign{ \vec{QP}&=\frac{1}{3+t}(\vec{a}+\vec{b}+\vec{c})-\frac{1}{3}\vec{a}+ \vec{b}\\&=-\frac{t}{3(3+t)}\vec{a}-\frac{t}{3(3+t)}\vec{b}+\frac{1}{3+t}\vec{c}}$$

\(\vec{FC}\) と\(\vec{QP}\)が並行であるとき、実数定数kを用いて

$$\vec{QP}=k\vec{FC}$$

と表すことができて

$$-\frac{t}{3(3+t)}\vec{a}-\frac{t}{3(3+t)}\vec{b}+\frac{1}{3+t}\vec{c}=-k\vec{a}-k\vec{b}+k\vec{c}$$

両辺の係数比較して

$$t=3,k=\frac{1}{6}$$

3−3

(1)

ポイント

解法が思いつかなくても36通り確認すれば良いでしょう。

Xの十の位がYの十の位より大きい時X-Y>0。

また、Xの十の位とYの十の位が同じ時、自動的に各々の一の位も同じになるのでX-Y=0。

よって、X-Y>0となるのは大きいサイコロの目が小さいサイコロの目より大きい時である。

$$P =\frac{1+2+3+4+5}{6^2}=\frac{5}{12}$$

(2)

大きいサイコロの出る目をS、小さいサイコロの出る目をTとする。この時、

\(E(X)=E(10S+T)=10E(S)+E(T)\)となるから\(E(S),E(T)\)をそれぞれ求める。

$$\eqalign{ E(S)&=1\cdot\frac{1}{6}+2\cdot\frac{1}{6}+3\cdot\frac{1}{6}+4\cdot\frac{1}{6}+5\cdot\frac{1}{6}+6\cdot\frac{1}{6}\\&=\frac{7}{2}}$$

\(E(T)\)も\(E(S)\)に同じ。

よって、

$$ E(X)=E(10S+T)=10E(S)+E(T)=\frac{77}{2} $$

同様に\(V(X)=V(10S+T)=10^2V(S)+V(T)\)となるから\(V(S),V(T)\)をそれぞれ求める。

$$ V(S)=E(S^2)-{E(S)}^2=1\cdot\frac{1}{6}+2^2\cdot\frac{1}{6}+3^2\cdot\frac{1}{6}+4^2\cdot\frac{1}{6}+5^2\cdot\frac{1}{6}+6^2\cdot\frac{1}{6}-\frac{7}{2}^2=\frac{35}{12}$$

\(V(T)\)も\(V(S)\)に同じ。

よって、

$$ V(X)=V(10S+T)=10^2V(S)+V(T)=\frac{3535}{12}$$

(3)

ポイント

定義通りに計算するだけですね。

$$ E(X-Y)=E(X)-E(Y)=0$$

$$ V(X-Y)=E{(X-Y)^2}-E^2(X-Y)=\frac{1}{6^2}\cdot9^2(1\cdot10+4\cdot8+9\cdot6+16\cdot4+25\cdot2)=\frac{9^2\cdot35}{6}$$

よって、

$$\sigma(X-Y)=\sqrt{V(X-Y)}=9\sqrt{\frac{35}{6}}=\frac{3\sqrt{210}}{2}$$

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