日記

英訳には国語力が必要

テストなどの作業が立て込み久しぶりになってしまいました。

テストといえば,ゆかり塾では現在英訳の授業をやっていて今月のテストも英訳が対象でした。

英訳のテストではこっそり京大の問題なども混ぜているのですが,みんな怯まずに解いてくれています。

大学入試の英訳の特徴は,「英訳しなけれいばいけない元の日本文がそのまま訳そうとすると非常に訳しづらい」ということです。

テストから一例をもってくると

“数ある楽しみの中で,車窓からの眺めというのもまた捨てがたい“

など,いかにもな文章が用意されており

「いや,『捨てがたい』」とか習ってないけど…」となってしまいます。

”hard to throw away”では「捨てるのが難しい」ですからね。

正しく英語にできているとはいえません。

もちろん,出題する側も「捨てがたい」をそのまま訳してほしいとは考えていません。

では,どうすればいいのかというと

「別の日本語に置き換える」

作業が必要になってきます。

「捨てがたい」→「いい楽しみの1つ」のように自分が訳すために都合のいい日本語にすればいいのです。

言い回しは違くとも正しいニュアンスで伝われば良い。

これが英訳の基本のキとなります。

問題はこの日本語の変換が想像よりも容易ではないということです。

元の日本語文を正しく解釈するのはもちろんのこと,場合に応じてニュアンスを変えずに都合のいい表現を探さなければいけません。

よくあるのは,「実際に英訳したものを日本語にしても意味不明」というパターン。

自分が書きたい英語に釣られて自分の中での訳したい日本語が歪んでいるわけです。

今月の生徒の試験解答を見ていても,できている生徒は「国語力が高いな」と思わされます。

用いている英語は決して難しいものではなく,大体は中学で教わる英語です。

「うんうん,確かにこの言い回しで伝わるよね」と感心します。

共通テストでは読解とリスニングというインプットがほとんどで,英訳の出番はありません。

2次試験では登場しますが。

受験英語において,英訳は軽んじられている傾向にあるでしょう。

しかし,実際英語を使うとなれば英訳のスキルは必須です。

「外国人に英語で伝える自分」を思い描きながら取り組んでくれたらなと思います。

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