夏休みといえばいろんな宿題が出ますが,私はその中でも自由研究が特に嫌いでした。
なぜ苦手だったかというと,何を研究すればいいのかさっぱりわからなかったからです。
「身の回りで気になることを調べましょう」と夏休みのしおりには書いてありますが,
そもそも思いつかないし,あったとしても自分の手で解決できるものとは思えなかったからです。
小4の頃は「大根をいろんな飲み物で育てる」というテーマのもと,ビールや牛乳,醤油などを水の代わりにスプラウトから育てましたが全滅。
なぜそんなテーマにしたのかは覚えていませんが,このテーマを聞くだけでも当時の自分が苦しんでいる様子がうかがえます。
小5の頃は「将棋の歴史」をテーマに,wikipediaをほぼ丸写しで提出しました。
小4から小5にかけて楽をすることを覚えたようです。
そんなのでも入賞するもんだからほんとくだらないなあと当時思った記憶があります。
こんな感じで小中にかけて長いことやらされた自由研究ですが,研究のイロハを初めて学ぶのは実に21歳,大学で研究室に配属されてからのことになります。
大まかなステップとしては
1.ある研究分野に絡んだ社会問題にフォーカスを当てます
2.今までの研究で「どこまでわかっていて,どこからが未知なのか」をはっきりさせます
3.未知の部分を自分が解明することで何が嬉しいのかを説明します
4.実験します
もちろん一小学生に未知を解明することは求められていないと思います。(たぶん小学生に求められてるのは自分にとっての未知を解明すること)
しかし,研究の存在意義はやはり「未知を解明して社会に還元すること」です。
なぜ研究をやらされるのかわからないまま,やり方もわからないまま提出しなければいけないのは中々に地獄だと改めて思います。
そもそも,大学生ですら研究のテーマをある程度教授に絞ってもらい(なんなら大方の学生は教授にテーマを準備してもらい)研究をします。
いきなり「やれ!」と言われてもそりゃ無理だよねえというお話です。
自由研究のテーマを真面目に決めたいのであれば,1週間ほどテーマ探しの旅に出るのがいいと思っています。
旅といっても,いろんな自然と触れ合ったり博物館・動物園などに行ったり,要はさまざまなことに触れる期間を設けるということです。
実際,旅行に行ってご当地の文化に興味を持つのも面白そうです。
人によっては1週間もいらないでしょうが,大学生がもっと長い時間をかけて決めることを考えれば短い方ではないでしょうか。
小学生にとって有意義な夏休みの時間の使い方じゃないかなあと思います。
実際は大人側が時間の都合を作るのがなかなか難しいんでしょうけどね。
ちなみに小四の実験ですが,
私が1週間牛乳とビールをあげ続けた土をしばらく放置していた結果すごい匂いを放っていました。
あの強烈な土の匂いは研究で得られた唯一価値のあったものかもしれません。