大学生の頃、英語に対するモチベーションが高かった時期にチャットアプリをインストールしました。
そのアプリは、学びたい言語と教えられる言語が自分と対になっている相手とマッチングしてくれるものです。
私は英語を学びたくて日本語を教えられるので、日本語を学びたくて英語を教えられるドイツ人とマッチしました。
?ドイツ人?
それはさておき、彼の名はマーカス。
チャットを通じて趣味の話で盛り上がるうちに仲良くなり、「会おうよ」と言われ実際に会うことになりました。
どうやら東京に住んでたらしいです。
私の最寄りの十条駅で待ち合わせ。
どう見ても十条に相応しくない、背高のイケメン欧米人がいたので初見で彼がマーカスだとすぐわかりました。
とりあえず近くの回転寿司でお昼。
マーカスは大学院で医療工学を研究していて、一年休学して憧れの日本に来たそうで。
今は大好きなアニメや漫画を集めつつ謳歌しているという話をしてくれました。
私は「日本文化を楽しんでもらわなきゃ」という謎の使命感を背負ってお昼の後はカラオケ、BOOK OFFに連れて行きました。
カラオケで一緒にアニメの歌を歌うとき、彼は意味を知らぬまま覚えた日本語歌詞で歌ってくれました。
BOOK OFFでは「この本棚にある漫画は全部読んだ」など、明らかに私よりも多くの漫画を読んでいる様子が伺えました。
「本当に漫画文化が好きなんだな」とその精通ぶりに驚いた記憶があります。
遊びながら英語を交えてたくさん話すことができました。
マーカスは別れ際、「君の英語は何言っているかわかるから後は大きくはっきり話すだけだ」と英語のアドバイスをくれました。
そういや英語を学ぶのがきっかけだったなと思いつつ駅までお見送り。
別れた後は終始英語でのコミュニケーションでヘトヘトでしたが心地の良い疲労感だったのを覚えています。
その後も何ヶ月かはチャットでおしゃべりしました。
アプリで交流した人の中では一番の付き合いです。
itunesのプレイリストをランダム再生すると一緒に歌った曲がたまに流れることがあり、その度に彼のことを思い出します。