日記

ピアニッシモは難しい

ピアノという楽器の特徴の一つに「強弱をつけることができる」というものがあります。

当たり前のようで実は当たり前ではありません。

元々弦楽器というものはひっかくものです。

(ヴァイオリンだとかギターだとか弦を弾きますよね?)

手動でひっかくならまだしも機械的な弦楽器の場合、引っかきによる強弱が機構的に難しいのです。

今のピアノの前身であるチェンバロなどはピアノとほぼ同じ形をしながら強弱をつけることができない弦楽器でした。

では、ピアノはなぜ強弱をつけることができるのか?

それは弦を弾くのではなく叩いているからなんですね。

打弦楽器というふうに分類されたりします。

音楽では強い音をフォルテ、弱い音をピアノと呼びます。

フォルテやピアノ、つまり音の強弱を表現するには自分の体重を指先に伝えるように弾きます。

強い音を出すには体を気持ち前に倒して体重をかけ、弱い音を出すには体重をかけない。

この弱い音を出すのが難しい。

ピアノの中でも特に小さい音をピアニッシモと呼びます。

ピアニッシモを表現しようとすると音がヘロヘロになったり均一にならなかったりするのです。

ピアニッシモには“キラキラや儚さ“といった繊細な要素があるので不細工な音は嫌でも目立ってしまいます。

ピアノの鍵盤の上の針を、やさしくつまむ様な... 大切なものをそっと拾う様な.... 又、ベルベットを優しく撫でて行くような... 基本的には、 鍵盤にはいつも指先が触れている様に...(レガート奏法) 他のタッチが必要な時にも、鍵盤から出来るだけ指先を離さないで弾いて行くことが大切です。 腕・手首も普段の演奏の時とは違い、羽根の様に軽く、腕の重みが鍵盤にかからない様に... 体は横隔膜を持ち上げて,体全体を上に上げる様な、弾き始めは一瞬息を止める様な緊張感で... 演奏の流れによって、腕・手首・指の高さや形を変化させ、音の強弱,音色の変化を表現して行きます。

Yahoo!知恵袋「ピアニッシモを綺麗に鳴らすには?」

名ピアニストにはピアノやピアニッシモで空気をガラッと変えることができる方もいるそうで。

大きい音で目立つのは簡単ですが、小さい音で魅了するのは至難の業です。

私がピアノを弾いていた頃はそもそも譜面通りに弾くことに精一杯であまり音の大小まで気が回らなかったのですが、先生は表現における重要な一要素としてよく指導してくださった記憶があります。

そもそもなぜこんな話をしたかというと昨晩の深夜、外からの爆音ピアノで目が覚めたからです。

少しびっくりしたのですが、寝ぼけていたのか「ピアニッシモで弾くのは難しいからな」と謎の納得をして再び眠りにつきました。

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