タイトルにバカという文字を入れるのはちょっと抵抗あったのですが。
「板谷バカ3代」という本をご存知でしょうか。
著者の板谷さんの家族にまつわるエピソードがひたすら載っているだけなのですが、そのエピソード一つひとつがぶっ飛んでいてとても面白い本です。
きっかけは齋藤孝さんの書評です。
「正真正銘のバカであれ!」という見出しに興味を惹かれ、親に即ねだったのを覚えています。
私の場合は特に読みたかった理由がありました。
それは当時、人気者になる方法を探していたからです。
私は勉強ができて脚も早かったですが人気者とはとてもいえない存在でした。
この本に出会ったのは島にいた時だったのですが、当時唯一の同級生がまさしく人気者でした。
彼が持っていて自分が持っていないものとはなんだろうと観察を続けていましたが、書評の『正真正銘のバカであれ』の見出しをみて「これだ!」となりました。
ホント失礼な話ですよね。
正確には覚えていませんがここで使われている「バカ」とは「普通にしていたらとても思い付かないような行動や発言をすること」というニュアンスで使われていたような気がします。
つまり相手の予測や期待を上回れということですね。
心理学や脳科学的にも、幸せや喜びを感じる要素と非常にマッチしています。
私は変わらず同級生を観察し続けながらバカを演じ始めました。
教科書はもちろん板谷バカ3代です。
適当な聞き間違いを連発したり、咄嗟に変な行動をとるように心がけました。
周りからすれば急に変なことをするようになったので怖かったはずです。
まあ、自分が変わるために多少の犠牲はつきものということで。
ちょっとずつですが笑いを取れる機会も増え、彼に近づいている手応えを感じていました。
しかし、親の転勤で島を去るタイミングで私は彼からとんでもない馬鹿を押し付けられ「本物には勝てないんだ」と絶望することになります。
つづく・・・?