オカヤドカリ、知ってますか?
天然記念物に指定されているヤドカリで、陸(オカ)でもひょこひょこ活動しているのが特徴的です。
私が離島にいた頃よく見かけました。
オカヤドカリは島民にとって作物を荒らす害獣だったので、大量に集められては冷凍処分されていました。
本来は天然記念物を許可なく殺処分などありえないのですが、正直「オカヤドカリならいいか」となってしまいます。
天然記念物とは思えないほどあちこちで見かけ、現地では貴重さが一切感じられません。
それでも、私みたいな島の外からきたものからすれば最初は珍しかったので何匹か集めて飼育してみることにしました。
調べてみるとオカヤドカリは雑食だそうで基本何でも食べるそうです。
食パンやキャベツの端切れなど適当にご飯を与えていました。
また、オカヤドカリは脱走の名人と呼ばれているそうで実際飼育箱に使っていた発泡スチロールの壁をガンガン削っていました。
最初は可愛かったオカヤドカリですが段々と暗雲が立ち込めます。
まず音がうるさい。
何のためかは分かりませんがギチギチとよく音を立てます。
次にクサイ。
これも何に例えればいいのか分かりませんが、そこはかとなく潮系統の臭さが部屋に充満します。
気づけばオカヤドカリに餌をやるのも適当になってしまいました。
極め付けは夜中の脱走。
深夜、母が叫んだかと思えば脱走したオカヤドカリが母の体上でトコトコしてました。
飼育箱を見ると発泡スチロールにポッカリ穴が開いていて、ヤドカリは半分くらいしか残っていませんでした。
これが決定機となりオカヤドカリは手放すことに。
オカヤドカリがいなくなって初めて、あいつは臭かったんだなと確信することができました。