中央駅を歩くたびにクリスマスの訪れを感じます。
ケーキ屋もここぞとばかりに美味しそうなケーキを押し出しています。
突然ですが、あなたはショートケーキのイチゴを最初に食べますか? 最後に食べますか?
新しく塾に入る生徒とこれからの勉強について話をする際、今までとは違った勉強を推奨することがどうしてもあります。
それはチャートに一から取り組むことだったり、単語帳を始めることだったり。
いずれにせよ、膨大な量を前に一歩を踏み出す必要が出てきます。
おっくうですよね。なかなか腰が上がらない。
私は修士課程を修了していますが、そのためには修士論文が必須となります。
その量は人によってまちまちですが、私の修論はA4用紙120枚くらいになりました。
修論の中身は大まかに
① 概要、② 研究背景、③ 研究分野の理論、④ 実験環境、⑤ 実験結果、⑥ 考察
となっています。
私も最初、修論になかなか手をつけられませんでした。
修論に手をつけようとして、「いやその前に机周りをきれいにするか」なんつって余計なことばかり捗る。
その際、去年先輩から言われたアドバイスを思い出しました。
それは、「書きやすいところから始めよう」というものです。
修論って実は①と②がとても大変なのです。
研究背景は特に自分でストーリを作らなければいけないので半分創作小説みたいなものです。
なぜその実験をするに至ったのかを世の中の不便さや疑問から論理的に結びつけていかなければいけません。
逆に、③と④は事実を並べるだけなので時間をかければそのぶん進捗は生まれます。
何が言いたいかというと、最初から書こうとするとちゅうちょしてしまうのは当たり前なんですよね。
私は先輩のアドバイスを思い出して、実験装置や実験内容から着手しました。
そうすると、1つの章がとりあえず完成します。
その完成した章のファイルを見るだけでもニヤニヤしてしまうんですよね。
「俺は成し遂げた」と。
いつか書いたような気がしますが、自分が何かを成し遂げたという事実はとても勇気をもらえます。
例え成し遂げたものがどんなに些細であっても。
それからはどんどん加速的に書きやすい章から着手していき、最後に研究背景を仕上げたのを覚えています。
一日おきに徹夜をする不安定な日々でした。
嫌いなエナジードリンクに初めて助けられました。
中身の出来はともかく、なんとか期日までに仕上がりました。
話を戻しますが、問題集に着手するときも同じかな、と思います。
チャートをどこから始めればいいですかという質問には
「得意なところから始めようか」というのが私の回答です。
特に受験は言ってしまえば自己満足(手を抜こうと思えば志望校のランクを下げることでいくらでもサボれる)の世界ですので、授業の質よりも問題集の優劣よりも何よりもモチベーションの維持が1番大切だと思っています。
ホントは苦手な分野から潰していくのが最短ルートですがそれは実際問題、可能なのでしょうか?
少なくとも私はノーでした。それができたなら私は一桁の順位で大学に入れています。
これは教える側にとってもなかなか難しい話です。
最短の道を提示したい思いとモチベを下げたくない思いがぶつかります。
バランスが大事です。そのバランス具合は教える側の手腕が問われるところだと思います。
ケーキはそもそも美味しいので例えとしては微妙なのですが、美味しいものから食べて勢いをつけよう!というのが要旨になります。
ちなみに、私は途中で生クリームに飽きた段階で食べます。
口がさっぱりしてまた生クリームを美味しく食べられるのでおすすめです。
今思えば、勉強もこんな感じでやってました。